春に愁う
今月の11日は
亡き母の 初めての命日
もう一年経ったのかと思うと
感慨深い
誰もいなくなった実家に入る時は
今でも 母がいた時と同じで
「来たよ」と 母に声をかけるようにして
上がり框(がまち)を 一段上がる
ふと 玄関のたたきを見下ろすと
母のサンダルが目に入った
母の靴は そのほとんどを処分していたが
母のサンダルだけが
今も処分できずに 玄関に残っているのだった
その足のサイズはとても小さく
子供のような22.5cm
隣に並ぶ私の靴はといえば27.5cm
そんな可愛らしいほどに小さな 母のサンダルを見ていたら
東京オリンピックの頃に
一瞬で 時間が遡上した
何故か 母の真っ白な割烹着姿を思い出したのだった
母の割烹着のポケットには
いつも飴が入っていたのだった
それも 透明なセロファンに包まれた丸い飴
そんな 懐かしい思い出
そういえば 母の割烹着のポケットには
いつも黒いヘアピンも入っていた
それは 妹の前髪を 留めてあげるためのものだった
幼かった妹は
母の姿が見えなくなると
いつも大泣きしながら
私にすり寄って来ては 私を困らせたものだった
そんな 50年以上も昔のことを思い出していた
母と 戯言すら交わせなくなった今
目の前にある現実と
幼い頃の家族の思い出が交錯し
足元が揺らぐような感覚に襲われていた
折しも母が旅立ったのは
実家の庭の吉野桜が満開となった日
それから初めての桜の春
吉野桜の蕾も膨らみ
薄紅に色づいていた
いつかこんな日が来ると思っていたが
とうとう 両親も 兄もいなくなり
唯一の家族は妹だけとなったことを
再び実感したのだった
亡き母の 初めての命日
もう一年経ったのかと思うと
感慨深い
誰もいなくなった実家に入る時は
今でも 母がいた時と同じで
「来たよ」と 母に声をかけるようにして
上がり框(がまち)を 一段上がる
ふと 玄関のたたきを見下ろすと
母のサンダルが目に入った
母の靴は そのほとんどを処分していたが
母のサンダルだけが
今も処分できずに 玄関に残っているのだった
その足のサイズはとても小さく
子供のような22.5cm
隣に並ぶ私の靴はといえば27.5cm
そんな可愛らしいほどに小さな 母のサンダルを見ていたら
東京オリンピックの頃に
一瞬で 時間が遡上した
何故か 母の真っ白な割烹着姿を思い出したのだった
母の割烹着のポケットには
いつも飴が入っていたのだった
それも 透明なセロファンに包まれた丸い飴
そんな 懐かしい思い出
そういえば 母の割烹着のポケットには
いつも黒いヘアピンも入っていた
それは 妹の前髪を 留めてあげるためのものだった
幼かった妹は
母の姿が見えなくなると
いつも大泣きしながら
私にすり寄って来ては 私を困らせたものだった
そんな 50年以上も昔のことを思い出していた
母と 戯言すら交わせなくなった今
目の前にある現実と
幼い頃の家族の思い出が交錯し
足元が揺らぐような感覚に襲われていた
折しも母が旅立ったのは
実家の庭の吉野桜が満開となった日
それから初めての桜の春
吉野桜の蕾も膨らみ
薄紅に色づいていた
いつかこんな日が来ると思っていたが
とうとう 両親も 兄もいなくなり
唯一の家族は妹だけとなったことを
再び実感したのだった
コメント
お庭の吉野桜が満開だったのですね。
思い出しますよねぇ色々なこと。。
お気遣いに感謝します。
これから毎年、桜を見ると、
花が大好きだった母を、思い出すのでしょう。