2025年5月12日月曜日

北海道旅行7 人の優しさと幸運


4月28日(月曜日)のこと

リッチモンドホテル帯広駅前に5連泊した最終日の朝

目覚めた私は 天気予報を眺めて驚いた

翌日の29日に  ついに雪マークが!!!

しかも最高気温が3度!!!


幸い29日は 帰りのフェリーの中ではあるものの

「やはり 北海道は油断できないな」と

スタッドレスタイヤのままで来たことが 正解だったと

つくづく思い知らされた


その後 ベッドから起き上がり

着替えを済ませた後 

妻とお茶しながら 20日に雪マークが出たことや

この日の予定を話題にした


苫小牧までの移動時間と

太平洋フェリーの乗船手続きの時間を踏まえて

時間を逆算すると 

いつ頃まで 帯広に滞在できるかという話をしたら

妻は

「行きたいところに行ったし 食べたいものを食べたから十分だよ」と


私にすれば この言葉こそが 

今回の旅における最高の評価で

とてもうれしかった


そこで この日の予定は 

真っ先に

千歳市にある 縄文世界遺産のひとつ

キウス周堤墓群を訪れることにした  


5連泊した 

リッチモンドホテル帯広駅前での 最終日の朝食は 

またも ぶた丼をメインに 多めの生野菜と

そして 好きなものを食べた


とても美味しかった


数あるリッチモンドホテルの中で

私たちが利用したのは 福島駅前 青森 

そして 今回の帯広で3か所目


大好きな青森旅では 

リッチモンド青森だけで 通算で9泊ほどしているのだった


そして

地方の特産物を活かした このホテルグループの朝食は 

どこも満足のおいしさで

この宿泊価格帯としては 十分過ぎる内容だと言える


今回の帯広では 

顔馴染みになってしまったレストランスタッフに

感謝を気持ちを伝え 部屋に戻った


8時半ごろにチェックアウトした後

同じく 顔馴染みになってしまった駐車場のスタッフにも

感謝を伝えると 

「何もない帯広に5泊もしていただいて ありがとうございます」との返事


私は 返す言葉を吞み込んで 車に乗り

運転席から無言で頭を下げて 走り出した 


走り出した車の中で 

「何もないのなら 5泊もしないよな」と私

「たくさん あるよね」と妻 


これは批判ではない 

「何もない」と語るその気持ちが

かつての自分もそうだったように

身に染みて 痛いほど理解できるからこそのこと・・・


その地に住んでいる者は 

得てして その地の良さに慣れきっているもので

その地の良さを知り得ないことが多い・・・


風情があった港町気仙沼の 古い街並みが 

激しく損なわれてしまったという経験がある私たちだけに


長い時間をかけて 先人たちが作り上げた 

その地の風景を

後に続く者たちが 守り続けることの大切さを 

身をもって知っているからだった・・・


気仙沼という街は 

訪れる方々に とても優しくなったといわれる

あの震災と いただいた多くの支援が

住む者の心を変えたのだと思っている


その証拠に

今では 気仙沼に移住するという方が増えているのだ


来てくださる方を 温かく迎え入れることは大切なこと


そこには 

感謝の気持ちが根源にあるからなのだろう

 

帯広を訪れてみて 人々が優しいと感じたのも同様だと思っている


先人たちの十勝平野の開拓への想いや 

長く続いた 血の滲むような我慢と努力が

後の世に続く者たちに残したものは 

「人の大切さ」に尽きるのだろうと思った


帯広の方々は 本当に優しい方ばかりで 

ホテルのスタッフもそうだった

仕事上の義務的なホスピタリティーで留まらなかったのだ


「客をもてなす」のではなく

「人をもてなす」という心が 強く感じられたのだった


私たちは たくさんの花の囲まれた季節に 

また訪れたいと思ったのだった


車を走らせ

音更帯広ICに入る直前の一般道で 

突然 妻が声を上げた・・・

「桜が咲き始めている」と


それを見た私はうれしくなった


確かに 

道路脇の桜が 開花し始めていたのだ


「帯広で 桜を見られたね」と妻

「満開じゃないけど 今回の旅の願いが またひとつ叶ったね」と私


気分も上向いたことで 

帯広を離れる寂しさが いくらか和らいだ私たちだった


道東自動車道を千歳方向に走り

十勝平原SAでトイレ休憩


ここでは ぜひとも見たかった風景があった

雪を纏う十勝岳と 連なる山々 


そして 偶然にも 足元にエゾマツの球果があった


遠景の雪が残る十勝連峰が とても美しかったこともそうだったが

やけに長い この球果を見つけたことも うれしかった


周囲に エゾリスが齧った後のものが

落ちてはいないかと探したが 

残念ながら 見当たらなかった


あったら面白かったのに・・・・


十勝連峰を抜ける自動車道脇の雪も

来た時よりも 明らかに減っていた・・・


そういえば 帯広駅前にあった雪の塊も

この5日間で消えていたのだった・・・


道東自動車を千歳東ICで降りて直ぐの場所に

縄文世界遺産のひとつ キウス周堤墓群がある


到着して 我が目を疑った 

場所を間違えたかな???と・・・


グーグルのストリートビューで 

事前学習していたプレハブの建物とは

まるっきり違うものが

そこに建っていたのだった


しかも 駐車場が仮整地の状態だった


おそるおそる ピカピカの施設に入って行くと 

誰も見学者がいない・・・


入館する私たちを見たガイドの方々が 

笑顔で迎えてくださったことで

気持ちがほぐれた・・・


なんと驚くなかれ 

3日前の25日にオープンしたばかりという話・・・


当初の予定どおりに23日に訪れていたら 

この施設の中を見学できなかったことを知ったのだった 


妻と顔を見合わせて喜ぶ姿を見た2名のガイドさんに

「実は23日に・・・」と伝えると

笑顔で 「予定変更されて良かったですね」「私たちもうれしいです」と

返してくださった


これまで 東北北部の縄文世界遺産をすべて巡った私たちが

北海道で なんとしても訪れたかった場所がここ


北海道に上陸した23日がかなりの雨で

この地をスキップしたことが 功を奏したのだった


そして 私たちをガイドしてくださった男性の

知識量と その熱量に 感謝するばかりだった 


通路脇にウバユリが群生する遺跡を歩きながら

説明してくださった内容に

想定以上の満足を得た私たちだった


北東北には存在しない キウス遺跡の特殊性に驚き

まったくもって 未知の分野に足を踏み込んだ気分にさせてくれる

そんな 知的満足感を得たのだった


キウス遺跡を後にし 移動し始めてからも

「すごい面白かったね」と妻

そして私も 同様に興奮が収まらなかった


いずれまた 発掘が進み

新たな真実が明かされたころに 再訪したいと

心に決めたのだった・・・ 


国道337号から同じく36号を通り

道の駅ウトナイ湖に到着 


過去の北海道旅で

何度か ウトナイ湖の近くを通ったが

この道の駅を訪れたのは 今回が初めてのことだった 


キウス周堤墓群が あまりに面白かったことで

かなりの時間を使ったものだから

ウトナイ湖に着いた時は 

予定よりもだいぶ遅れていて 

既に 午後1時を過ぎていた


少し遅い昼食を 軽めに済ませた後

妻は 道の駅のショップに並んだ商品の面白さに

ここぞとばかりに 目を輝かせた


重いものを持つことが禁止されている妻は 

やはりここでも 暴走気味で 

かごを持って追従する私のことは 

お構いなしで どんどん移動する・・・


結果

4人の孫たちへのお土産も含めて

かなりの購入となったのだった・・・苦笑


次回に続く・・・・



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